【テニス教本】『いちばん新しいテニス上達メソッド』もっと上達したい初級者に。【書評】
本詳細
いちばん新しい テニス上達メソッド (PERFECT LESSON BOOK)
- 作者: 緑ヶ丘テニスガーデン
- 出版社/メーカー: 実業之日本社
- 発売日: 2018/04/06
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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タイトル『一番新しいテニス上達メソッド』
監修:緑ヶ丘テニスガーデン
定価:1500円(税抜)
発行:2018年4月15日
オススメ度
中上級者 ★★★☆☆
初級者 ★★★★☆
ざっくり書評
少し上級な初心者向け教本
「新しい」と題されているだけに、他の教本とは異なる教え方で解説され続ける。
キーワードは「歩く動作」と「回内運動」。全てのショットにこのテクニックを導入して解説されている。
歩く動作とは、おおよその教則本で言われているところの「ひねり、ひねり戻し」の動作である。それを誰でもイメージしやすいように、より身体全体の動きに変換できるように、歩く動作として解説されている。
回内動作とは、多くの教本でプロネーションと呼ばれている動作であり、うちわを扇ぐ時のような手首の動きのことである。
この教本の良い点は、ショットが身体全体の動きを連動させて打てるように解説されている点である。歩く動作を持ち出して解説しているのも、身体全体を連動させてショットを打たせたいと筆者が考えているからであろう。
とかく、多くの教則本では腕単体の動き、足単体、腰単体、という部位別の動き方に中止されてしまうことが多い。そんな中この教本では、初級者から身体全体の動きで打てるように解説されている。
初級者の方が初めて読む教本として少し高度かもしれないが、是非チャレンジして読んで頂きたい教本である。
中上級者の方でも、読んでいて新たな発見があるだろう。
感想
「緑ヶ丘テニスガーデン」は、ジュニアや中高生の育成にも力を入れており、この教本はジュニアに教えている技術を書いたのだろう。
日々ジュニアを指導しながら得たノウハウを本にしているのだから、信頼できる。
体のひねり動作を説明しようとすると、多くの教本では「股関節のひねりを使って〜」といった説明になる中、この教本では歩き動作という簡易で的を射た説明がなされている。
緑ヶ丘テニスガーデンはこれ以外にもいくつか教本を出しているので、次にはそれも読んでみたい。
【テニス教本】『やろうよテニス』メニューに困ったらコレを読め!【書評】
本詳細
タイトル『やろうよテニス』
著:竹内映二
価格:1500円(税抜)
おすすめ度
中上級者:★★★☆☆
初級者:★★★★★
コーチ:★★★★★
ざっくり書評
まさに、『テニスコーチの教本』
子供、これから始める大人、そんな人達に「教える人」に是非読んでもらいたい教本。初心者の方が自分で読んでももちろん為になるが、どちらかといえば教える側が知っておくべきことがたくさん詰まっている。
特に、段階的に技術を教えていくやり方がわかる。このドリルをこなせば、着実に成長していってくれるだろう、という納得感があった。
また、通常の教本に比べて薄いのに、必要なことがギュッと詰まっている。
「これから初心者を教えるんだけど、メニューもわかんないしどう教えていいかわかんない!」
という人にとって、これ以上の本はないと断言できる。
内容は、基本の「キ」を教えた後、それを体得するための練習法を教えてくれる。一個の技術に対して多くの練習法が紹介されており、練習メニューに困ることがなくなるだろう。なんとストロークのドリルは18まで、ボレーのドリルは17まで用意されている。難易度が1から徐々に上がっていき、最後には通常のラリー、試合で使えるラリーができるようになるまで構成されている。
段階的なメニューをここまで多く、かつわかりやすく説明している教本はこれしかないのではないか。
感想
実は、技術について詳細に書いた教本が一般的な形で、テニスコーチがどう教えればいいかを書いた教本は少ない。初心者向けとなるとさらに少なくなる。
そういった意味でこの教本は貴重である。
私がこんなにベタ誉めするのにもワケがある。ある時期、初心者を10名程度継続的にコーチすることになった。コーチ経験などない私が、メニューに苦戦している時にであったのがこの本であった。
段階的に教えなければいけない、ということを大きく分からせてくれた教本だった。
実際にこれらのメニューを取り入れてから、初心者達は飽きることなく徐々に上達してくれた。コーチではないけどテニスを教えなければいけない、そういう人のバイブルとなってくれれば、と思いこの本を推している。
【テニス教本】ゼロから始めて大逆転!テニスがみるみるうまくなる超入門【書評】
おすすめ度
中上級者:★☆☆☆☆ 「1」
初級者:★★☆☆☆ 「2」
本情報
タイトル「ゼロから始めて大逆転!テニスがみるみるうまくなる超入門」
著:GODAIテニスカレッジ
価格:1200円(税別)
ざっくり書評
まさに、『添田豪の無駄遣い』
この教本で、大逆転することは不可能でしょう。内容の3分の1が「どのようにテニスを始めるか」に割かれています。技術の教則本を求め、この本を購入した人はぶん投げたくなること間違いない。
表紙に登場する添田豪選手を手本に技術を説明してはいますが、およそセオリーとは言えないことまで書いてあり、正直信用できません。この著者は、添田豪をモデルにして適当に本を売りたいがために作った、としか思えませんでした。全体的に軽い印象の本です。また、どの層に向けて書いた本なのか、イマイチ分からない。
これからはじめる主婦の方向けなのだとしたら、バギーホイップショットの説明をしているのは納得できない。少しでもテニスをやったことがある人にとっては、為にならないし物足りない。遊びでこれから週一以下のペースでやってみようか、という人なら少しは満足できるかもしれないが...
一方で良い点もあった。それは、プレー外でのテニスの楽しみ方に言及されているところだ。この本の第5章は「テニス観てみる?」であり、テニス観戦の楽しみ方が書かれている。特に、「選手になったつもりで試合を観てみる」というアドバイスは実際に為になった。選手になったつもりでどこに打つか、どんな球を予測するか、と考えて観戦すると、確かに面白い。この本、4章以外はすべて技術に関係ないことが書かれている。
この本の狙いが、「テニス初心者の生活の一端にテニスを紛れ込ませる」ことであるなら、ある程度成功しているように思える。
いくつも教本を読んでいるがうまくいかない人、教本に飽きてしまった人は読んだら楽しめそうだ。
感想
スクールが出している本ということなので、そのスクールの特性がこの本にも表れたのかもしれない。ウィークエンドプレーヤーがほとんどのスクールなのだろうか。他にも教本を出しているスクールといえば、「緑ヶ丘テニスガーデン」が思い浮かぶが、ここの本は基本に忠実かつわかりやすい教本を出していた。
スクールで本を出している以上、集客の目的もあるだろうから、スクールに来て欲しいプレイヤー層にむけて本をかいているだろう。
この本で、GODAIテニスカレッジさんが集客できているなら全く問題はない。